「リスキリング」という言葉を耳にすることが増えましたが、皆さんは実際に何を意味しているかご存知でしょうか？
この記事では、そもそも「リスキング」とは何か？という部分に焦点を当てて、経済産業省が進めるリスキリングの解説とその重要性について掘り下げていきます。
リスキリングとは？
まずはリスキリングの基本的な定義や意義を確認します。
リスキリングとは何か？その基本的な定義
経済産業省「第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」の中で、「リスキリング」は下記のように定義されています。
新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する／させること
(出典）経済産業省「第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会／資料2-2 石原委員プレゼンテーション資料」
（https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf）
「リスキリング」はあくまでも現在の仕事を行いながら、今後必要となる知識・スキルを学んでいくことを指す言葉になります。
似たような用語として「リカレント教育」がありますが、リカレント教育の本来の仕組みとして「新しいことを学ぶために職を離れる」ことを前提とした言葉です。
リスキリングが注目されている理由
リスキリングの意義
2020年、非営利財団である世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)にて、2030年までに全世界で10億人をリスキリングするという目標が掲げられ、「リスキリング革命」の推進が表明されました。
大まかには、第4次産業革命に伴う技術の変化に対応した新たなスキルを獲得するために、より良い教育、スキル、仕事を提供する…といったことを率先して行うようにすべきであるという内容です。
「将来、数多の仕事がAIに取って代わる」と言われてからはや数年経過しました。文字通り人の手から離れる職業もありますが、AIや自動化などとうまく付き合いながらこなす仕事も生まれています。
このような仕事の変化に順応するために「リスキリング」は有効な一手となります。
国が推し進めるリスキリング
リスキリング制度の成り立ちと背景
リスキリング制度は急速な技術革新と労働市場の変化に対応するために生まれたものです。
特にデジタル化の進展により、従来のスキルセットでは対応できない業務が増えたため、それに適応するために必要なスキルを新たに学び、習得することが求められるようになりました。
この背景には、ビジネス環境の変動が激しく、常に新しい知識や技術が求められる事業環境があるからこそ、リスキリング制度の整備が重要視されるようになったのです。
企業や教育機関が連携し、最新の技術や知識を学ぶための場を提供することで、個人のキャリア形成にも大きく寄与しています。
リスキリングと経済産業省の関連性
日本では経済産業省が重要視する政策の一つとして、経済成長を支える基盤となるべく展開されています。
特に日本の労働市場では、技術革新に対応できる人材の不足が問題視されており、その対策としてリスキリングが位置付けられています。
経済産業省は、企業と連携し、職場でのスキル習得がより効果的に行える環境を整えるための支援を行っています。
このように、政府と企業が一体となってリスキリングを推進することで、日本の産業全体の競争力を高めようという思いが背後にあります。
経済産業省だけじゃない 厚生労働省とリスキリング
経済産業省だけでなく、厚生労働省もリスキリングに携わっています。
労働市場が絶えず変化する中で、働く人々がより良い職場環境に適応し、価値あるキャリアを築くためには、新たなスキルの習得が不可欠です。
そこで、厚生労働省は、教育機関や企業と連携し、労働者が必要とするスキルを効果的に身につけられるような制度や支援策を充実させています。
この協力関係により、労働者は自己成長を目指しやすくなり、一方で企業も新技術に対応した人材を確保することが可能になります。
まとめ
AIや自動化技術が発達したことで、「仕事」においては人生の中で切り離せないものとなっています。
日本の企業の中でも着実に進められている「リスキリング」について、何のために行われるのか、将来の何につながるのか、まずは現在の自分の立場から理解して活用していきたいものです。
ぜひ本記事・本ページを参考にしてより理解を深めていきましょう。
